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Home >斜め読み聞きかじり >2006/4/1

地域で懇親の場が無くなった!

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏
 4月になって医療制度や福祉制度が改められ、診療報酬の削減(マイナス3.16%)が始まった。一方では介護保険料の値上げなど、高齢者中心の"弱者"にホコ先が向けられた、いやな新年度のスタートである。どうも政府筋では「いまや老人は弱者ではない」という観点が定まったようで、何かと言うと年寄りのフトコロをいじめたがるように思うのはヒガミか。
 それはさておき、福島市では昨年度に市内から公民館を無くしてしまった。公民館を統合させて方部ごとに「学習センター」なるものを設置する組織改編を行った。例えば清水地区なら信夫山の陰に大きな清水学習センターを設け、身近だったこれまでの清水公民館は清水学習センターの分館となった。そのねらいは、終戦直後に誕生した公民館の役割が一応終えた、しかも少子高齢化社会になって高齢者が増え元気な年寄りがいっぱいいる、だから社会教育でもやらせよう、という所にあるみたいだ。それはわからんでもない。でも本音は、組織統合による人件費などランニングコストを減らそう、ということだろう。その証拠に名前変われど設備は昔のまま。勉強するにも備えられている図書などは誰も見向きもしない古本ばかり。職員だけが減った。
 そして1年経ってみて、地域の中で困ったことが出てきたのである。公民館だったころ、そのエリア内にある町内会や各種団体では総会や懇親会、新年会などは、ほとんど公民館の一室を借りて開催してきた。それは学習センターになっても同じだが、違ったことが1点ある。総会後の懇親、町内会員の新年初顔合わせ、秋のイモ煮など懇親の場で飲酒が出来なくなったのである。「学習センターでの酒盛りは、その名に相応しくない」というお上のお達しがあるのか、センター職員が気を効かせているのかは分からないが、とにかく町内会の会員つまりお隣同士のなごやかな交流の場が失われてしまったのである。そりゃア学習センターでしょっちゅう宴会を開いてヘベレケになっていては怪しからんことだ。絶対にやってはならない。でも、学習センターと名が変わっただけで町内会はじめ交通安全協会、体育協会といった利用団体の親睦の実を上げさせるスベが全て失われてしまっては、今回の機構改革は実態を見ていない形式的な"恰好つけ"だけだ、と言われても仕方がないと思うがどうだろうか。利用団体の自己規制をキチッと確約させた上で、こんな規制を緩めるワケにはいかないか。少なくとも町内会では困っている。(2006・3・28)


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