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変だゾ、NHK改革の竹中提案

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏
 通常国会も閉幕。政界は3カ月後に追った自民党の後継総裁選び、つまり次の首相争いの一点に絞られてきた。「再任しない」と言い続けてきた小泉首相だけに小泉政権はもうこれで終わりである。となると小泉改革の先鋒役で幅を効かせて来た竹中平蔵総務相もこれで一丁アガリとなる。ところが、その竹中総務相の私的懇談会「通信・放送の在り方に関する懇談会」がこれまで論議してきたNHK改革案を6月6日、天下に示した。中身は「NHKの3チャンネルを2011年までに削減するよう求める」というものだ。だが、一方で「デジタル時代のNHK懇談会」なるものもあって、こっちは6月19日に最終報告書をまとめてNHKの橋本会長に提出した。ここではチャンネル削減について「視聴者の二一ズの広がりに応じた規模が必要」として否定的な見解を示したのだ。われわれ国民は「どっちが正しいの?」と首を傾げてしまう。

 大体、竹中懇談会の改革案というのは、おかしいことだらけなのである。私的懇談会がどんなメンバーなのか知らないが、ハナから方向を間違えている。次々に発覚したNHK職員の不祥事はけしからんことだった。国民は怒って、受信料の不払者が続出した。だが、それは「受信料が高いから払わない」と言っているのではない。次々に発覚する不祥事、法規を遵守するコンプライアンスの欠如に対して、“NHKの体質を改めろ”と怒ったのだ。だからNHKを改革する一、それは大いに結構。だが竹中懇談会は何を勘違いしたのか「NHKのチャンネルは多すぎる。削れば費用も減り、受信料を安く出来る」という論理を取った。国民の誰が番組を視聴する機会を減らすことになる、ラジオやテレビのチャンネル削減を誰が、望んだり言ったりしているのか。誰もいない。なのにNHKへの罰としてチャンネル剥奪を結論付けているのだ。これでどこが「消費者の視点に立つ改革」なのか。見当違いも甚だしい。

 NHKは公共放送だ。だから広告主に支えられた民間テレビがお笑いバラエティなどバカ騒ぎ番組で視聴率アップに四苦八苦しているが、NHKは歌舞伎・能・狂言といった日本伝統芸能の放送などで、日本文化を後世に伝える文化財造りを積み重ねてきた。ここでチャンネルを減らしたら、この文化財造りは吹っ飛んでしまうだろう。竹中懇談会は、日本文化の番組を造りにくくする裏切り行為をやろうとしているのだ。こんな提案では、NHKに対する国民の抗議の声を代弁することには、到底ならないことを認識してほしいのだ。(2006・6・24)


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