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松坂の価値60億円

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏
 高校生時代からの念願を松坂大輔投手が果たした。行く先はア・リーグの老舗ボストン・レッドソックス。それにしてもレッドソックスは大枚をはたいたものだ。60億円というと日本プロ野球選手の年俸総額の22%に当たるんだそうだ。もちろん、これが松坂の懐に入るわけではない。新聞やテレビニュースを早呑み込みして「エッ、松坂が60億円もらえるの?」とビックリする向きが多いが、これは言ってみれば“人買い”の代金で、全部これまでの“持ち主”だった西武ライオンズ球団にはいる金だ。ポスティング・システムというのは人間をセリにかけてー番高い金を出す所が手に入れる制度である。

 それにしてもバカ高い金額をレッドソックスは用意したもので、これには西武はホクホク顔だろう。率直に言って、いかにすごい投手とはいえ、松坂にこれほどの価値があるかどうか、は疑問だ。ポイントはその蔭に隠されているレッドソックス内の事情だ。それはヤンキースとの宿命的なライバル関係、因縁めいた競争である。われわれ日本人はメジャーリーグはあまり良く知らないせいもあってベーブルースやゲーリッグ、戦後はデマジオ、マントルといった選手がいたヤンキースぐらいしか知らないから、ヤンキースが素晴らしいチームと思っている。それでいいのだが、ちょっとアメリカ通になるとヤンキースを良く言わない人が多い。日本における巨人嫌いと同じである。金にまかせて他球団を尻目に欲しい選手はなんでも自軍に人れてしまう。伝統のある球団なのに昨日までライバルチームにいた選手を金にあかせて自チームの4番打者にしたり、エ一スにしたりする。それが嫌いだという人が意外と多いのだ。

 宿命のライバルであるレッドソックスは歯ぎしりしながら、その被害に耐えてきた。今年なんかはリ一ドオフマンでボストンの顔だったデーモン外野手が簡単にヤンキースに移って1番打者で大活躍し、レッドソックスの東部地区での優勝を阻んでしまった。我々日本人なら「なんという恩知らず」と思うが、そこは万事が合理主義で個人主義のアメリカのこと、敵地での試合では物凄いブーイングを受けたりするが、全般的に常識の範囲内らしい。で、WBC(世界選手権)優勝の立役者である松坂だけは「なんとしてもヤンキースには入団させない」と狙い定めてヤンキースでも出せないだろう金額を設定した。それが60億円と理解すれば納得出来よう。考えてみると松坂投手にはやっぱりツキも伴っているなア。あとは年俸交渉だ。なんぼ出してくれるのか。(2006・11・18)


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