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Home >斜め読み聞きかじり >2006/12/9

商工会議所の役目って何だ

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏
 平成16年夏の知事選での選挙違反が明るみに出され、11月28日に県会議員ら8人が在宅起訴された。言わずと知れた佐藤栄佐久前知事の談合汚職にからんで炙り出された違反事件である。この中に総合選対本部の坪井本部長と倉島常任幹事の2人が入っていた。実は、東京地検特捜部による談合・汚職捜査の行方で、成り行きを毎日ハラハラして見守っていた向きが県内経済界に数多くいた。談合もさることながら「果して公選法違反にまで捜査の手は伸びるのか」と危倶していた福島、郡山の財界リーダーたちである。結局、8人で打ち切りとなって「首を撫で下ろした」という人たちの噂が両市でパッと広まった。8人で止まって助かった向きが相当いたようなのである。しかも11月30日付けの福島民報によると、坪井本部長に200万円、倉島常任幹事に100万円の資金が手渡されながら、ご両人とも選挙に使わず私的に流用していた、と報じられた。つまり選対本部での働きの報酬となっていたのだ。坪井氏はこれまで18年間にわたって福島商工会議所の会頭の地位にあり、福島県商工会議所連合会の会長も務め、経済界をリードしてきた人である。また倉島氏も福島経済界の重鎮として会議所副会頭を務めている。いわば福島県の“財界知事”みたいなものだ。この商工会議所は正常な経済発展をはかって県内の社会資本を充実させ、県民生活の向上を目指すのが役目だ。だから、時には県政や国政に対して要望書や陳情などを通じて政治活動もやらなけれぱならない。当然、選挙に対しても傍観することは許されまい。

 でも、だからと言って、政治・行政を執行する首長の選挙事務所の中にまで入り込み、報酬を貫いながら当選させるというのは、商工会議所の役目としては逸脱していないか。商工会議所にとって、県知事はあくまで経済施策の実現を要請する相手であって、その知事を当選させて「俺たちが作った知事だ」と県政の中でグルになって施策を有利に動かさせる、という対象ではあるまい。確かに過去に県内各種選挙、特に知事選では“むかし陸軍、いま農協"と言われたJA、そして県労協、商工団体などが有力組織団体として選挙運動に加わってきた。勝利すれば知事の取り巻きグループができ、そのメンバに有利な行政が展開された例も数限りない。5期18年の佐藤栄佐久県政の間、福島市にも郡山市にも“栄佐久グループ”が存在していたのは事実だ。今回の事件を契機に、改めて商工会議所の政治活動の有り様を見直すべきではないか。(2006・12・6)


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