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新聞紙面に改革の嵐?

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏

 久しぶりにマスコミ業界の話題を取り上げたい。新聞の紙面がいよいよ本格的に改革されるのか、という話題である。と言っても、記事の中身の話しではない。活字が大きくなって読みやすくなることに伴う改革の功罪のことだ。
 これまでの新聞の1ページは1段15字で、それが15段あって成り立ってきていた。見出しはニュースバリューが大きいほど6段抜きとか5段、4段見出しで読者に提供している。段数が多いほど大ニュースである。半世紀前の新聞は活版部で鉛活字を組み立て、印刷部では鉛版で印刷していた。最小の活字は1倍と呼ばれ、その大きさが紙面寸法の基になっていた。そのうち、日本人の高齢化とともに「1倍活字はいかにも小さくて、年寄りには読みづらい」という声が高まり、それに応じて活字を大きくした。大きくなれば天地の寸法が大きくなるから1段に入る文字数は13字になった。ここで情報量が13%減ってしまった。逆に言えば、その分だけ記事量が入らなくなったのである。

 この最小活字を拡大する流れがまたぞろ、ここにきて復活してきたのだ。口火を切ったのが毎日新聞で、昨年12月10日付け紙面から従来比14%大きい活字を採用した。活字といっても現代は鉛ではなく電子文字だから、大きさなど変幻自在なのだ。毎日は「読みやすく情報量は減らさない」と謳っているが、現場記者からは「トップ記事でも50行しか入らないんでは」と大不評を買っている。確かに読みやすいのだが1段10文字では、さもありなん、である。半世紀前から3分の1減ったことになる。でも1ページ15段を保っているから「まだ、ましか」と思っていたら、この毎日を追って昨年末、今度は読売新聞グループの内山斉社長が全国の新聞社社長に「読売と朝日は4月以降、現行の15段組み紙面編成を12段組みに変更する。ついては各社でもご検討願いたい」という書簡をぶつけたのだ、という。そのハラは活字を大きくするかわり、段数を減らした紙面にしよう、というのだ。
 「どうぞ、ご勝手に」と言いたいところだが、段数が12段になったら広告の大きさ・形式も変わる。12段向けの広告は15段紙面には納まらない。全国紙が新聞広告を仕切っている現状では、広告収入が頼りの地方紙は泣く泣く追随せざるを得なくなるのだ。先にANY(朝日・日経・読売)の業務提携が動き出している。どうも読売は現代アメリカみたいになってきた。毎日、サンケイや地方紙を潰しにかかっているんじゃないのか。これもナベツネ戦略か。(2008・2・8)


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