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永田町に「中選挙区制復活」という妖怪

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏

 昨年7月の参院選が引き起こした“ねじれ国会”は予想以上に日本の政治に大きな変化をもたらしている。部分的には“ダメージ”といってもいい混乱ぶりだ。史上初めての“日銀総裁の空席”という、悪いイメージが世界で長く尾を引かなければよいが…。この“ねじれ”は、あと6年近くは続く。
 そこで浮かび上がってきたのが、昨年末の福田首相と小沢民主党代表の党首会談で表面化した「大連立」構想だ。自民と民主の2大政党が手を握って内閣を作り同一歩調で政治を進めようという、トテツもない裏技である。しかも福田、小沢ご両人は一旦は合意した。だが党に持ち帰った小沢代表は党内から総スカンを食らい「それじゃァ、オレは代表を辞める」と開き直った。結局は静意撤回、というみっともない形で収拾はしたのだが、実はこの大連立の話はまだまだ消えてはいないのだ。特に福田首相には未練が残っているハズだ。

 この大連立を実現するには大きな障害がある。現在の衆議院議員の選挙制度は1993年から、それまでの「中選挙区制(複数定員)」に代わって「小選挙区制(定点1人)」になっている。つまり、連立を組んで政策協定して共に歩む政党が、衆院選になると1議席を巡って互いに候補者を立てて、連立どころではない激しい選挙戦を戦うことになる。これでは連立政権の運営に大きな支障が出るのは目に見えている。従って大連立を組むなら、どうしても複数定点の中選挙区制でなければならないのだ。そこで今、永田町に「中速拳区制の復活」という“妖怪”が鎌首をもたげ徘徊し始めている、という次第なのだ。
 実は、この動きには仕掛け人がいる。誰あろう、ご存じ読売新聞グループのカリスマ渡辺恒雄会長、通称ナベツネさんだ。この人、読売の敏腕政治記者で大野伴睦、河野一郎などの大物が自民党を仕切った時代が懐かしい人物。そこで“ねじれ”国会に業を煮やして中選挙区の復活をあちこちで吹きまくっているらしい。大連立の仕掛け人もこの人だから頷ける。

 率直に言って、そろそろ中選挙区に戻した方がよいのではないか、と筆者も感じている。第一、選挙が数段面白くなり投票率も格段に上がると思うのだ。ただ、この復活劇には相当に高いハードルが待ち構えている。93年から既に4回の衆院選を行った。当選4回以下の議員は中選拳区制を知らない。選挙区で落選しても比例で助かった組も多い。「今のままで、何故ダメなの」という反撃がもう聞こえている。さて本日のこの話題、この先、どっちに向くか。(2008・4・10)


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