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一個千円になったら、どうする?

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏

 たばこ飲みはますます肩身が狭くなっている。医学界では、あらゆる研究発表や症例検討会で、患者の診断結果とともに喫煙の有無がデータとして明示される。無いと、発表者が「なぜ無いのか」と詰間されるからだ。あらゆる病気の原因に喫煙がからんでいる、というのがドクターたちの共通認識になっているのだ。それにしては、たばこを吸っている医者も結構みかけるんだが…。
 いま、国会では超党派で「たばこを1個1000円にする」という議員連盟が出来たそうな。「これで喫煙者が減れば、身体にもよく、環境にもよく、税収も上がる」という一石三鳥を狙っているんだという。確かにヨーロッパ諸国をみると、たばこは結構高価なのだ。日本の3倍から4倍していて1個1000円前後である。これに、わが国全議員サマが洗脳されてしまったらしい。

 でも、我が国では1984年に公布された「たばこ事業法」なる法律が厳然と生きているのだ。この法律の精神は、その第1条にある「たばこ産業を健全に発展させ、合わせて財政も潤わせよう」という一石二鳥の考えである。つまり、たばこを製造し販売することを応援する法律なのである。これに基づいて′日本専売公社が君臨してきた。やがて三公社五現業が解体され民営化されるとともに専売制度は崩れ、公社はJTとなってたばこ以外に食品産業はじめ手広い事業を展開している。中国産食品の輸入ではミソを付けたりもしている。

 医学界がこぞってたばこの弊害を叫び、人体へ与える悪影響が科学的に認められる時代になっても、一方にその生産と販売を後押ししている法律が立派に生き続けているのだ。この矛盾をどうにかしないままでは”たばこ1個1000円だヨーン”の掛け声だけで動き回るのは可笑しいのではないか。第一、この1000円たばこプランの謳い文句に挙げている「税収が上がる」というのは、どういうことなのか。1000円になると税金分は840円になる。こんなに値上げすれば禁煙者が猛烈に増える、つまりたばこが売れなくなるのに「数兆円の増収になる」というのはどんな計算なんだろう。結局は現行「たばこ事業法」を基礎にした発想なんじゃないのか。これでは精神分裂症だ。

 筆者は喫煙者だが本数は減って1日7本だ。「何時でも止められるサ」と強がり言いつつ吸っている。でも1個1000円になったら止められるネ。ゼニ惜しみじゃなく、たばこ好きの庶民を苦しめ悲しませながら財務省だけを喜ばせる政治に腹が立つからだ。1個につき840円の税金なんぞ払えるもんか!(2008・6・25)





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