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今度は「サマータイム」だって?

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏

 いま、国会あたりで「サマータイム制」の論議が起きているという。”1日の時間を1時間早めて生活しよう”という提唱だ。そういえば昭和30年代に1回やった記憶がかすかにある。あの時は、日が長い夏の夜をレクリエーションなどに有効に使って健康生活に役立てよう、という狙いだったと思う。だが今回は地球温暖化防止の一環として夜の消費電力を減らそう、という趣旨だそうである。国会では超党派の議員連盟が結成され、2010年の導入を目指している。“ねじれ国会”で日銀総裁の空席を作ったり副総裁1人を決めかねている自民、民主両党が、たばこ1個1000円の提唱と同様、こんな話になると「超党派」が組めるのが腑に落ちないのだが、まぁ真面目にやってんだろうから是認はしよう。

 で、春の4月から10月まで時計の針を1時間早めた1日にしようというのである。いま朝7時に起床して1日が始まっている人は、実際は6時起床となる。その代わり、今の午後4時には仕事を終えて“アフター5”になる。夏は日が長いから、まだまだお天道様はギラギラ輝いている。そして夜10時就寝の習慣の人は今の9時に寝る。早く照明を消すし、テレビも見ないから電力消費量は減る、というリクツだ。洞爺湖サミットの主要テーマに呼応しよう、と意義づけている。日本経団連も積極的なのだそうな。

 ところが、早くも日本睡眠学会では「この制度は弊害が大きい」と反対の最終報告をまとめ、近く発表するという。「最近の研究では、期待とは逆にエネルギー消費量が増える」というのだ。同学会の本間研一副理事長(北大教授)によると(1)春にサマータイムが始まると1時間のズレに体が同調するのに約3週間かかる(2)移行当初は睡眠時間が1時間ほど短くなる、などの影響があり、夜間の不眠や日中の眠気、さらには睡眠障害という立派な病気も誘発しかねない、というのだ。居眠り運転の多発も心配だ。何よりも、米国カリフォルニア大学や大阪大学の調査では「照明代は減るが、暑苦しくてクーラーを使うため電力消費量は逆に1?4%増える」という結果となっている。

 これじゃあ、元も子もないやね。それでなくても日本人の平均睡眠時問は7時間22分で45年前より1時間前後短くなっているというNHKの調査結果もある。サマータイムでさらに睡眠時間が減ったら身体はもっんだろうか。時計をずらすだけで本当の省エネになるとは思えない。もっともっと、国民的論議をして合意の上で実施しないと、後期高齢者医療制度の二の舞になるゾ。(2008・7・10)





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