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二重運賃のそしり

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏

 “福島空港から日航機が全面撤退”という衝撃的なニュースに、福島県庁では佐藤雄平知事以下が右往左往している。さっそく日本航空本社に乗り込んで西松社長に撤退の撤回を申し入れたが、かたくなに拒否された。ご承知かどうか、日本を代表する日本航空は実は経営がアップアップしていて、再建を急いでいるが見通しは明るくないのだ。経済誌はじめ週刊誌でも「いつ倒産してもおかしくない」と叩かれ続けている。そんな状態だから、折からの原油高もあって不採算路線は情け容赦なく切り捨てて、赤字を少しでも減らそうという魂胆から出た福島空港切り捨て宣言だったのだ。かって、鶴のマークで世界に羽ばたいていた国策会社時代だったら鷹揚に構えて、福島や沖縄などの地方イジメはやらなかったろう。でも民間航空会社になって全日空などのライバルや世界の航空会社との熾烈な戦いの中で、日航は親方日の丸体質から抜け出せず、重大事故や大きなミスを立て続けに起こして、たちまち死に体になりかけた。そんな経営状態だから「やむにやまれぬ苦渋の選択」だったんだろう。そもそも福島県に空港なんぞ必要だったのかね」という日航寄りの声も出された。

 ところが、である。その日航の業績が急改善して今年3月顛決算で、本業の儲けを示す連結営業利益がなんと900億円を計上したのである。ライバル全日空をあっさり抜き去り”奇跡の復活を遂げたのだ。2年前の決算が260億円の赤字だったから、あれから1100億円も回復したのだ。原因は?いま旅行業界で大騒ぎしている「燃油サーチャージ_lである。正式には燃油特別付加運賃という。ジェット燃料の市場価格変動に合わせて航空会社が本体運賃の他に追加徴収する料金のことだ。家族4人のハワイ旅行で格安運賃の32万円を選んでも後から16万円の追加請求があって、ついに旅行断念、などというケースはザラにある。消費者からは「これでは二重運賃ではないか」とのクレームが増えている。このサーチャージを“日航は取りすぎ“と批判を浴びているのだ。長距離路線が多い日航はサーチャージ計算で極めて有利なのである。

 そして900億円の儲けを計上した。”付加なんて、まやかし。日航はこれを2つ目の財布に使っているけ との声に日航サン、どう対処するんだろう。ここにも原油高を追い風にして儲けているヤカラがいる。一方では燃料が高くて出漁しても赤字の漁業がある。このアンバランスを放っておいていいんだろうか。日航サン、儲けの1%でもいいから漁民に分けてあげたらどうかね。(2008・7・25)





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