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Home >斜め読み聞きかじり >2008/10/7

夕刊の廃止が相次ぐ

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏

 久しぶりにマスコミ業界話を取り上げたい。世の中は不景気で、麻生首相は施政方針演説でも代表質問でも「まず景気回復の施策を」と叫んで、衆議院の早期解散を抑えているように、景気は悪くなっている。この不況に真先に見舞われるのがマスコミ界であることは周知のことだが、それにしても今、新聞界もテレビ界も、いい話は一つも無い。それが相次ぐ夕刊の廃止に現れている。

 既に福島県内では県民紙トップの福島民報と福島民友新聞が夕刊廃刊に踏み切っているが、この傾向は全国的で毎日新聞北海道支社が8月末に、秋田魁新報が9月一杯で廃刊した。南日本新聞(鹿児島)は2009年2月で止めることがほぼ固まった。夕刊紙で有名な名古屋タイムスはこの10月末で休刊するという。広告費の落ち込みや用紙代の値上げで経営が行き詰まったらしい。

 逆に山形新聞は8月から新聞代を全国のトップを切って値上げし“スワッ全国各紙が追随か”と業界で色めき立ったが、尻すぼみで終わった。夕刊フジと日刊ゲンダイは10月から値上げしたものの、果して経営改善にどれだけ寄与出来るか、と業界スズメは見守っている。夕刊廃止ではないが、天下の日本経済新聞にしてもこの夏ごろから広告収入が前年に比べ2割減っているといい、阪神支局を8月に廃止したほどだ。もう一つ、堅実経営の神戸新聞(兵庫)が健康保険組合で直営していた診療所を閉鎖した、という詰もある。

 一方のテレビ界も業績悪化の一途を辿っている。中でもTBS(東京放送)はひどいらしい。雑誌「選択」によると、かつては”民放の雄”と呼ばれ、報道でもドラマでも他を寄せつけない勢いがあったキー局だが、今や視聴率でフジテレビ、日本テレビに大きく水をあけられ、テレビ朝日にも瞬間的に抜かれることもあるという。

 今年3月期の売上高は前年比1.1%滅で営業利益になると18.6%滅の206億円に止まっている。そこでTBSは今年、東京・赤坂本社を再開発し複合施設「赤坂サカス」なるものに変身させた。みのもんたの「朝ズバッ!」などで毎回画面に出てくる施設だ。ここから年間数十億円の不動産収入を得るのだ、という。今後の運営次第では放送事業の利益を上回る収益が出るとの見方もある。東京都内の一等地を使った不動産開発に早くも「テレビ放送もしている不動産会社」のカゲロが聞かれはじめた。本来、最もダイナミックで世の先をいくメディア産業が、最も保守的と見られている不動産業で生きていこうという姿勢が、今の日本マスコミを象徴している。(2008・10・5)





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