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政権に恋々(れんれん)とせよ!

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏

 平成の御世でハタチを迎えた平成20年も早や12月、残るのは僅かな日々だけとなった。このドン詰まった時期だというのに、我が国政界は麻生首相の迷走ぶりと、アメリカからまき散らされた不況の波に洗われてシドロモドロの泥船と化している。テレビで麻生内閣を”立ち枯れ内閣”と言っていた。言い得て妙である。稲が花を咲かせて稔る穂を作る時期にヤマセが吹いて低温障害で稲穂にならず、立ったまま枯れてしまうサマに譬えた表現だ。”お坊っちゃま”麻生首相にはもはや求心力も無く、衆院解散の伝家の宝刀を抜く力さえ失っている様に見える。僅か2ヵ月余りのこの変貌ぶり。想像もつかなかった。

 「仏の顔も三度」というのか「三度目の正直.」と言うのか、まさか3人目の政権投げ出しになるんじゃないだろうネ。海の向こうでは”CHANGE”を掲げたオバマという初の黒人大統領が出現した。弁舌さわやかで聞く人の心を掴み切った言葉の連続は、かのケネディ大統領を上回っている、とさえ言われる。そしてアメリカ国民も戦争にまみれ続けたプッシュ政権の8年に見事な程の切れ味で決別を告げた。そんな風景を見続けたこの目に、日本政界の閉塞感に満ちた現状は”我々は不幸な国民”としか映らないのだ。

 読売新聞「編集手帳」に新語が載っていた。国語学者の見坊豪紀さんによると「新語は毎日3語ずつ発生している」そうだが、最新の新語は「乙男(おとメン=乙女心を持っている男)」「指恋(ゆびこい=好きな人と携帯でメールすること)」そして「チェンソウー(内閣総理大臣が代わること)」だ。このチェンソーはどんなノコギリか、と思ってしまうが「福田から麻生にチェンソーした」という風に使うらしい。早晩「麻生から○○に・・・」になるのか。

 さる政治評論家がうまいことを言っていた。「“政権に恋々とする”という言葉は”潔(いさぎ)よい政治家ではない”ということで、悪い表現に使われてきた。しかし平成の総理大臣はむしろ政権に恋々としてもらわなければ、日本がおかしくなる」。そういえば平成の御世になって20年だが、この間に誕生した内閣総理大臣は麻生サンを含めて13人。うち小泉純一郎サンは5年半務め任期満了だったから、残り14年半を12人で首相をやった。平均1年2カ月強。病気による辞任は小渕恵三サンだけ。残りは全員“政権投げ出し”である。安倍晋三サンも病気というが、いまイチすっきりしない辞め方だった。“恋々するぐらい”粘りのある総理大臣の出現を望むや切、の師走である。(2008・12・10)





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