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花見の費用か?定額給付金

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏

 海の向こうでのド派手な大統領就任式と比べるからなのか、とにかく日本の国会は一体どこに向かって何をしているのか、と暗澹たる思いでため息しか出ない。アメリカから移された恐慌という”性悪カゼ”で派遣社員クビ切りが相次ぎ、社会全体が薄黒い幕に覆われ閉塞感に苛まれているというのに、参院予算委員会では総理大臣相手に漢字検定をやっている。ねじれ国会で衆参の議決が異なったために開かれた両院協議会では、2日がかりで同じ主張を言い合うばかりだ。与野党政策の違いを話し合って一本化を図り、国民の為に一日も早く施行させる場所が、野党の議事引き延ばしに利用されてしまった。新聞にも「新たな牛歩戦術」と揶揄されたが、与党も野党も国会の外の景色をもっともっと見つめてもらいたいのだ。この冬に何を最優先させるべきなのか、路頭に迷う非正規社員にどんな手を差し伸べたらいいのか、を見極めれば党利党略しか見えない目からウロコが落ちるだろう。

 国会で”漢字が読めない”という麻生首相を相手に漢字検定をやるのなら、麻生さんが「どうしても出す」と言っている定額給付金の“給付”の意味で論議して欲しいのだ。この定額給付金は本来は「定額減税」だったハズだ。与党の一翼′を担う公明党が昨秋、麻生首相にヒザ詰め談判で迫って実現したものだ。ところが減税となると法律改正が必要だ。総選挙前に少しでも早く、と急ぐために法律に基づかない「給付金」にすり替えられた代物である。でも減税と給付金では本来、意味が違うと思う。減税は文字通り税金を少なくすることだが給付金は「お金を与える」つまり“政府の金をみんな平等に分け与える”というニュアンスが濃い。作家の室井佑月さんも毎日新聞で「(給付金とは)金をやるから有り難いと思え、という感じがして嫌らしい。私は、さもしいと言われようが受け取る。“税金を返せ”という気持ちだ」と述べている。しかも、喜ぶハズの国民の半数以上が反対しているという奇妙な金配りなのだ。減税なら善政で、給付金なら悪政なのか。アテにして早々と高価なバッグを買ってしまったおばあちゃんが、今ハラハラしている笑い話も聞いた。1月27日にやっと第2次補正予算が成立し高齢者1人2万円ナリが一歩近づいたが、支給はまだまだだよ、おばあちゃん。この先に関連法案というのがあって、これが可決しないと手元に福沢諭吉2人達れは現れないのだ。まア花見の費用ダネ。日本の政治は目下こんな給付金に振り回されているのだ。オメデタイ国だなア。(2009・1・27)





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