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Home >斜め読み聞きかじり >2009/3/11

いまさら“返す”って言ったって

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏

 ”政界は一寸先は“闇”とはよく言われる言葉だ。順風満帆に進行しているかに見えた政界の成り行きが、嵐が吹いて一夜明けてみたら全く違った様相を呈している、という意味だが、今回の小沢一郎民主党代表の西松建設がらみの政治献金疑惑は正にこれに当たるだろう。今国会で麻生首相の郵政選挙をめぐる反対、賛成の二枚舌ぶり、酩酊記者会見で世界に恥をさらした中川財務大臣の迷走辞任劇‥・麻生内閣は断崖絶壁の淵で転落寸前だった。誰の目にも、政権交代で小沢総理大臣の出現が目前に見えた。
  ところが、皮肉というのか絶妙のタイミングというのか、3月早々に東京地検特捜部が’“突如”小沢氏の第一公設秘書大久保ナニガシを逮捕、事務所を家宅捜索した。政治資金規制法違反の容疑である。これで政界の流れはドンデン返しとなった。小沢代表は1994年の政治資金規制の立案に関わっており精通している。当然、抜け道もご存じだったろうに地検の強制捜査を受けるとは・・・検察庁にはかなりの確証があったのだろう。当然、小沢代表は「絶対やましいことばない。間違いだろう」と強気一点バリの発言を続けているが、マスコミはここぞ、とばかり巨大企業と大物政治家の闇のからみぶりを暴き立てている。一般庶民にはどう見たって小沢さんが潔白には見えなくなってきた。末期症状の自民党に”神風”が吹いた。
 
  自民にとっては神風だが、民主党は一斉に「国策捜査だ」「陰謀だ」と声を荒らげた。そう言われれば、なんか陰に巨大なものが轟いているようにも思えるが、国策捜査などあり得るハズがなかろう。もう少しで政権を握ったかもしれない民主党のお歴々が「政権を取ったら民主党も国策捜査をやるのかい」と言われてしまうじゃないか。ここんとこは、口を慎んでいた方がいい。
  一方、政治献金は自民党の議員連中もいっぱい手にしている。西松建設がらみの献金も多い。それが小沢捜査以降、われさきに「返金する」とトカゲのシッポ切りを決め込むヤカラが相次いでいる。二階派の880万円をはじめ森派などだ。不正なカネでない、と信じて献金を受けたのなら、それでいいじゃな
いか。何故返すんだろう。返せば汚れが落ちて潔白にでもなる、と考えているんだろうが、自分にやましいことがあったと言っているのと同じじゃないか。例えば悪いが「人の物をちょっと失敬してバレたら戻せばいい」という理屈は通るまい。第一、西松の場合はパーティ券を買ってくれた新政治問題研究会も未来産業研究会もとっくに消滅している。返すって、どこに返すんだい。(2009・3・10)





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