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大山鳴動と泰山

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏

 北朝鮮の花火あそびか、テポドンとやら呼ぶミサイルに日本はもちろん、世界中が振り回された1週間だった。我が国では秋田・岩手の上空を飛ぶっていうんで漁民はじめ各界に不安がよぎったが、5日昼に発射されて10分足らずで一件落着、何事も起きなかった。これを称して「大山鳴動ネズミー匹」という。世界に事前予告しながら、人工衛星は軌道に載った気配はまるでナシ。北のテレビが「金日成万歳の歌の電波を流し続けている」と力んでいるだけだ。打ち上げ花火に毛の生えたようなミサイルで、右往左往させられた我が身が情けなや、国は金の無駄遣いさせられるは…、このツケどうして呉れるんじゃ!

 ミサイル騒ぎは終わっても、政界を覆った閉塞感は拭えない。平成21年度国家予算が成立して、麻生首相は息つくヒマもなく、景気対策の補正予算の成立を目指し、「これに反対するなら、これを争点に解散・総選挙も」と力んでみせた。小沢民主党代表の代表ポスト居座りに言論界では日増しに「これでいいのか小沢」の声が高まっている。そのせいで内閣支持率がチョッビリ向上したりした。“小沢が代表でいるうちに、それ選挙だ”というところか。どうも大舞台での名優の大見得といった大芝居には見えないんだなア。学芸会(こんな言葉はもう死語か)での劇みたいに“小せえ、小せえ”。

 鳴動の「大山」ではなく、「泰山(たいざん)」という地名がある。中国山東省にある名山で、そこから「高くて大きな山」の意がある。「泰山の安きの置く」は“どんなことがあっても崩れない体勢に安定させる”という意味だ。今の日本の政治はこの泰山の安きに置いたような場面がトント見れなくなっている。3月末の毎日新聞コラム「近聞遠見」で岩見隆夫さんが面白い題材で書いていた。「渦巻き蚊とり線香型か」の一文だ。「中心に火が届くまでに時間がかかり過ぎる」という意味で、かつてのライシャワー駐日米大使が日本の意思決定の遅いのを〈渦巻き蚊とり線香型〉と冷やかした言葉だそうだ。なるほどウマいことを言う。小沢代表は居座りの理由として「すべて国民次第」というが、国民の気持ちはすでに分かっている。「小沢は代表を辞任すべし」の声は86%に達している。国民は小沢とカネを巡る関係に疑惑の目を向け不快感を覚えているのだ。でも辞めないし、周りも「いずれ辞めるんだろう」と見守っている。ここに渦巻き蚊とり線香がともっていた。煮え切らない灰色の偏平な政情が続く。自民党だけでなく民主党も崖っぷちにあることをお忘れ無く。(2009・4・7)





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