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「居座り」か「正当」か

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏

 4月23日の毎日新聞時事川柳にこんな句が載っていた。「自分には 甘すぎますね 小沢さん」。言わずと知れた民主党の小沢一郎代表のことだ。西松建設の裏金から出されたと思われる政治献金をめぐって公設第一秘書が政治資金規制法違反で東京地検特捜部に逮描されたが、党代表のイスから降りる気配が無いことを皮肉った川柳である。小沢代表は「国策捜査だ。断固戦う」「形式違反なのに逮捕するとは前例が無い」などと戦う姿勢を見せたまま代表を続けている。民主党内からも諌言、直言する声も出ず、むしろ鳩山由紀夫幹事長はじめ首脳陣はかばう発言ばかりだった。これを見たマスコミも一時は静観する態度だったが、ここにきて、ようやく批判の声が高まってきた。

 中でも立花隆氏の主張(朝日新聞)は鋭く印象に残った。立花氏は「田中角栄金脈研究」を文芸春秋に掲載して”今太閤”の田中総理を退陣に追い込んだ人であることば今も記憶に新しい。小沢代表はそのころ、田中総理に可愛がられて側近中の側近だった。当然、政治の進め方から資金集めの方法までミッチリ仕込まれていた。今回の政治資金集めも田中流直伝であることは言うまでもなかろう。第一、小沢氏の資金管理団体の名前が「陸山会」だという。これは田中さんの有名な資金管理団体「越山会」をそっくり真似て、越後の越の代わりに岩手の陸中の陸を当てたことは明白だ。それほど、田中流なのである。

 立花さんはこれほど田中総理を師と仰ぎ田中流にスッポリ浸っている小沢氏が「師から何を学んだのだ」と激しく非難している。ロッキード事件で田中前総理が東京地検に逮捕されたとき、田中さんはまず検事正に一枚の紙を求め、サラサラとペンを走らせた。それは自民党への離党届だった。田中さんはロッキード汚職(5億円)は無実、と検察側と命を賭けて戦う決意を固め、その通り戦った。ただ「この戦いに自民党を巻き込んで迷惑をかけてはならない」とまず離党したのだった。立花さんはこの事実一つとってみても「小沢代表、あなたは師から何を学んだのだ。何も学んではいないじゃないか」と叱責しているのである。小沢さんは政権交代の実現を叫んでいる。可能性も十分ある。そして小沢一郎首相が誕生したとき、日本で一番忙しい人間になる。そんな分刻みの総理が検察と戦う時間と労力を割くことが出来るのか。日本を導くリーダーに、自分の秘書の裁判で検察と戦う人物を戴くことを国民は望むだろうか。誰の目にもその非は明らかだろう。かくて「居座り」批判は強まっていく。(2009・4・25)





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