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拡がるのか、終息するのか

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏

 新型インフルエンザがアレヨアレヨと言う間に広がった。5月19日の新聞1面は朝・毎・読・民報ともマスクで埋まった写真で飾られた。中学校は今が修学旅行シーズン。東京を訪れて国会見学へ。そこにこのインフルエンザだ。全員白いマスク姿で参院本会議を傍聴する姿が恰好の取材対象になった。それでもこれらの中学生はまだいい。この日の朝日新聞「天声人語」によると、修学旅行の集合場所だったJR大阪駅に集まった中学3年生に、駅で修学旅行の中止が言い渡されたのだ、という。大阪市教委からのお達しとあって生徒に告げる校長も辛かったことだろうが、生徒には大ショックだった。一生の思い出になったかも知れない東京ディズニーランドでの級友との最高の楽しみが目前で吹っ飛んだのだ。「うそや」「ありえへん」と涙ぐむ生徒もいたという。なんとかして、日を改めて必ず実現させてやって欲しい、と願うばかりだ。

 今度のインフルエンザがメキシコで発生した時は「豚インフルエンザ」と呼んでいたのに、いつの間にか「新型インフルエンザ」となった。ある医者と話していたら「いつまでも豚、豚と言っていては、豚肉を食べる人がいなくなり養豚業者の死活問題になるからだろう」とのたもうていたが、さもありなん。イスラム教では豚肉は食べないせいもあって、エジプトではいち早く国中の豚を処分する政策を打ち出し、数少ない養豚業者の反対運動が火を吹いたが、あれはどうなったか。今度のインフルエンザはH1N1型とされる。H5N1が鳥インフルエンザで、こっちの方が毒性は強い。だから5月18日になって厚生労働省では「季節性インフルエンザ並に扱う」と柔軟な姿勢に変わった。

 でもこの2週間余りの騒ぎ様は何だったのだろうか。今度のインフルエンザはよく分からないままに「国内発生早期」から「蔓延期」になるまで、はとんど間が無かった。それで水際作戦などという昔の戦争用語を持ち出して、外国から飛んでくる航空機の機内検疫に力を注いだが、如何せん、経済大国日本の空の交通の量からいって防ぎ切れるワケがない。アッという間に世界で4位の罹患者数になってしまった。この日本の蔓延ぶりをWHOが目を凝らして見つめている。世界的蔓延のフェーズ6に昇格されると、国境封鎖だの移動禁止だのと、しち面倒くさいことが起こる。それでなくてもコンビニ閉鎖だの企業活動の縮小など不景気の経済に与える打撃は甚大なものだ。人命も大切だが、経済も命の綱だ。この辺の絶妙なバランス感覚が問われるのだよ、アソーさん。(2009.5.22)





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