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世間の目は甘くない

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏

 鳩山邦夫総務大臣が辞めた。表向きは日本郵政会社の西川善文社長のクビを取り損ねて「世間を騒がせた」と辞表を書いて麻生首相に出した形をとっているが、麻生さんが更迭したのだ。3回も総裁選で選対本部長を務めてくれた盟友中の盟友のクビを切ったのだ。「政権内に郵政民営化を巡ってゴタゴタがあるような動きは除いてシカルベキ」と平静を装ったが、考えてみれば麻生さんもツキがない。衆議院議員の任期が残り3カ月を切ったこの時期に、盟友に味方して西川クビ切りをやれば党内の″麻生降ろし”の火に油を注ぐ、盟友を切れば世論に足を引っ張られる、の地獄に立たされたのだから。案の定、このあとマスコミ各社が一斉に世論調査をやったが、軒並み「麻生内閣支持率は急落」と出た。6月17日のJNN(TBS系列)では「支持率が危険水域の20%を切った」と報じていた。世間の目には「麻生は国民の共有財産であるかんぽの宿を二束三文で叩き売ろうとした西川社長を切らずに、正義を通そうとした方を切った」と映ったのだ。その裏には、筋を通すより反麻生の動きを封じ込めたい「欲」に首相は負けたのだ、という見方が大勢を占めたのだ。

「鳩料理 遅い まずい で高くつき」(よみうり時事川柳より)

 そもそも、麻生首相は事あるごとに「民間会社が決めた人事に政府がアレコレロを出すのは政治の不当介入、という誤解を招きかねない」と発言するが、これは形式論にすぎない。だって、日本郵政株式会社の株主は100%を出資した政府一人だけなのである。そこが2700億円もかけて建てた国民の保養宿泊施設「かんぽの宿」79軒を纏めて107億円でオリックス不動産に売却しようとした。どんな事情・背景があるにせよ、国民の目には「たった5%でェ?」と不審に思うのが当たり前だ。まして、オリックスの宮内義彦会長は小泉政権下で民営化推進委員長を務め、郵政民営化の先頭を切って旗を振った人だ。誰もが、出来レースと見るのが当然だ。その不透明さをキチンと国民の前に説明して理解を求めるべきではないのか。なのに、一括売却が明るみに出て半年にもなるのに西川社長はなんの説明もしていない。何故なんだろう。これじゃ痛くない腹でもかんぐられるのが当然だろう。100%株主の政府がこんな社長の責任を論ぜず、再任を人ごとのように指をくわえて眺めている方がズーツとおかしいと思うんだが、どうだろう。小泉改革一派を敵にしたくなくて誰もが不思議に思うことを明かさないんでは、アッソーと黙認は出来んネ。(2009・6・19)





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