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認知症を早く見つける

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏


 今回は老人医療の話を取り上げたい。日本が世界でもあまり例が無い高齢社会に入っていることはご存じだろう。平均寿命は女性で86歳、男性も79歳に近づいている。ヨークベニマルが毎月初めに行う1・2・3の市を昼間のぞいてみると、買い物客の9割は老人だ。電車も同じで昼の乗客は高齢者、旅行者も老夫婦の姿ばかりである。PPK(ピン・ピン・コロリ)を願って元気な姿の老人天国を措いている。とは言っても、そこはお年寄りだ。若い世代からみれば病気が多いのも当然である。それが医療費の伸びに繋がり「75歳以上の医療は別にしよう」と悪名高い「後期高齢者医療制度」が生まれたのだ。

 その高齢化に伴って増えてくる病気の1つば認知症である。ご主人が外出から戻って玄関に入ろうとしたら、扉の前にスーパーの買い物カゴに商品がいっぱい入ったまま放置されていた。清算すれば買い物袋に入れるハズだ。まだ会計を終えていないのに持ち帰ったのか。それじゃ万引き、窃盗になってしまうと、驚いて妻を問い詰めたが要領を得ない。妻が突然、認知症を発症したのだった、という発見例を聞いたことがある。もの忘れと認知症(痴呆)がよく話題になる。「前夜に何を食べたか思い出せない」はもの忘れ、「前夜に食事したことを忘れている」が認知症、なんていう解説書がいっぱいある。認知症といっても千差万別で、症状の現れ方もいろいろあるようだ。そして最大の問題点は「発症したら今の医学でも治せる手だてははとんどない」ということだ。認知症の約6割はアルツハイマー病で治療薬にアリセプトというのがあるが、これとて進行を抑えるという薬効で、完治薬ではなさそうだ。

 そうした中で「もの忘れ・がんPETドック」というのが現れた。南東北PET・ガンマナイフ高度診断治療部門が開設したドックである。アルツハイマー病は脳に特有のタンパク質が蓄積された結果、発症すると考えられている。そのタンパク質の1つが「βアミロイド」というもの。発症する20年ぐらい前から少しずつ蓄積されて、脳に「老人斑」と呼ばれる黄色いシミとなって現れるんだそうだ。そこで、PETでβアミロイド検査をやって「脳のどの部分にどれだけ蓄積があるか」を調べ、早期に適応する治療を開始しよう、というドックなのである。PETだから身体全部のがんの有無も調べられたら健康を保てるだろう。つまり認知症を早期発見して早期に手を打つというわけだ。検査だから健康保険が効かないのが難点だが、医学はどんどん進むねエ。では。来年もこのコーナーでお会いしましょう。(2009・12・25)






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