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Home >斜め読み聞きかじり >2010/2/17

頂点に立った報い

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏


 なんか、日本は悪い夢の渦の中にはまってしまったような気がして来た。価値観が狂った別の世界に迷い込んだのか。日本航空に次いで、今度は超一流企業、世界一、日本の誇りのトヨタが世界中からバッシングを受けている。それも肝心カナメの自動車安全技術のへマで、“技術のトヨタ”は一夜にして栄光の座からブーイングが耳を覆う奈落の底に転落した。特に最も売れ筋だったハイブリッド車プリウスの欠陥=リコールは痛手が大きい。

 トヨタには「世界一だけは絶対にならない」という処世の哲学があったそうだ。「トップに立ったら追い上げられ、狙われるだけしかない。常に追い上げる側にいた方がよい」ということか。だが、ライバルの米国ビッグ3が次々に経営不振・倒産に見舞われ、いつの問にかトヨタが世界トップに昇り詰めていた。そして、会社組織が巨大化して経営首脳は顧客の目から遠いところに座るようになった。巨象になって意思が細かく伝わらない身体になっていた。「技術のトヨタ」の看板はいつしか、その看板の中に胡座をかいて、技術のための技術だけになっていた。だから、ABSブレーキの効き具合の苦情に対して、記者会見で「それは運転者の感覚の問題で欠陥ではない」と平気で言う技術担当常務が現れたりする。ユーザーが「おかしい」と言うのに「感覚の問題」はなかろう。仮にそうだとしても、そんな不安を抱かせないブレーキにすればいいじゃないか。それが本当にユーザー側に立った技術ではないのか。

 小沢幹事長の元秘書だった石川知裕民主党衆議院議員が東京地検から起訴されてたが、離党、議員辞職を巡って民主党内に「国会議員の職務ではないことでの起訴だから、議辞職は必要なし」とする論がある。これは見当外れもいいところではないか。議員の職務ではないというが、一個の人間として犯罪を犯したら、国民の代表に相応しくないことは小学生でも分かる。破廉恥な犯罪を犯しても「国会議員の職務ではないことだから」と言い張れるのか。ましてわっていての違反だろう。こういう屁理屈が堂々と罷り通る日本になってしまったのか。価値観がここでも狂っている。日本相撲協会の理事選挙も常識から限りなくかけ離れている。「公職選挙法に則ってやる」と言いながら、投票後に“造反投票”をした人物を灸り出す。まるで中世ヨーロッパの魔女狩りである。こんなカビの生えた組織が国技を守っている日本って、どう思う?






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