市民〔citizen〕と結ぶネットマガジン!
建設メディア「MEDIA」
Home >斜め読み聞きかじり >2010/5/24

はびこるニンピー、世間にも閣内にも

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏


 先日、月刊誌「選択」5月号を見ていたらニンピー(NIMBY)なる言葉にぶつかった。ニンビーとは「Not In My Back Yard」の頭文字。
 つまり、「ごみ処理施設など都合の悪いものを、他所に設置するのは良いが、自分の裏庭に設置するのは絶対に嫌だ」という意味である。人間の利己心を指した言葉だが、改めて新語として覚えなくても、この利己主義というか手前勝手な論議や行動は今に始まったことではない。最近はあまりニュースとしては現れなくなったが、30年ぐらい前までは地方自治の悩みのタネがし尿処理場や火葬場の設置場所だった。誰でも、家から年中見える場所に糞尿や汚水を処理する工場があるのは敵わない。匂いがしたら尚更だ。遺体が焼かれる煙を見ながら暮らしたくは無かろう。当然のように市役所が設置場所を決めると猛烈な反対運動が展開された。でも、その反対の本質は「そんな施設は不必要だ」とは言っていない。必要性は十分に認めながら、それが家の側だったり裏山だったりすることが耐えられないのだ。現在でも同じような反対運動が繰り広げられる。福島市狐塚の刑務所仮釈放者への自立更生促進センターは建物が完成しているのに反対で開所できないでいる。暴力団事務所への反対運動は少し質が異なって、これは撲滅運動なのだが、とにかく「住宅地からは出てゆけ」運動である。これに似ているのが原子力発電燃料の燃えかすを処理する施設への反対運動である。テレビCMで宣伝しているNUMOは高知県某町が交付金欲しさに名乗りを上げたが、首長選挙で破れオジャンになった。

 そして、いま注視されている沖縄の普天間飛行場移設を巡る論議が最大のニンビーだろう。仮りに本土の住民に聞いてみても、ほとんどが沖縄県民と同様に「基地はあってほしくない」と答えるだろう。徳之島の猛反対ぶりは尋常じゃない。ニンビーは現代社会での国民の本質なのかも知れない。そして鳩山内閣の閣僚の中でもニンビ?がはびこっている。なまじ社民党や国民新党と連立政権を組んだばかりに社民党の福島瑞穂党首は“口任せ”としか思えないように「国外、悪くても県外」を一つ覚えのように口走り、5月17日にはキャンプ・シュワブ案の修正決着に「閣議了解には応じない」と鳩山首相にねじ込んだ。簡単に国外というが、ではどこの国なのか、県外とは46都道府県の何処なのか、それを言わないで国外、県外はなかろう。鳩山さんも連立政権でこんなに苦しめられる.とは考えもしなかっただろうに・・・こうなると哀れだネ。
(2010・5・24)






Copyright (C) Medianetplan Co.,Ltd. All Rights Reserved.
このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。