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平気な顔で「親の生死なんて知らな〜い」

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏


 今年は日本の敗戦から65周年になる。そのせいで、戦記物の本やテレビ番組があふれた。その中で「池上彰のそうだったのか・学べるニュース」のテレビ番組で初めて天皇の終戦詔勅全文を聞いた。日本は敗戦の日を8月15日にしているのに、ロシアは戦艦ミズーリ号で降伏文書に署名した9月2日を戦勝の日に決めたということも同番組で知った。8月15日から9月2日までソ連は戦争状態にして旧満州や樺太、千島で戦い占領したことを正当化する狙いがあるという。ソ連時代のスターリンによるシベリア抑留に加えて、今のロシアもー筋縄ではゆかなさそうだ。民族の差なんだろうか。北方領土が心配だ。
 
 そんな敗戦後65年の歳月の中で出来上がってきた長寿国日本が、なんか怪しくなってきている。100歳以上の高齢者のうち、270人も消息不明なんだという。主に大都市圏に集中していて神戸市で105人、大阪市で63人いるとか。大阪では住民票からすれば今年で127歳と日本で最高齢者になる老人がいるのだが、行方不明。一説には44年前に死亡したというのに、いまだに住民基本台帳には載っているのだ。役所の健康福祉部門が亡くなったことを知っても住民票部門には伝えられていないのだ。まさにタテ割り行政の典型、お役所仕事のすごいケースを見せてくれた。

 だが、ここで単に“お役所仕事“と片付けるワケにはゆかない。親には子がいる。その子供たちはどうしているんだ。同居していても、いなくても親の生死を知らない子供っているのかネ。自慢じゃないが46歳で亡くなった筆者の母について一周忌から三十三回忌までの法事をすべてお寺で行って、数年前に五十回忌で供養して終わりにした。いま生きていれば白寿の母である。亡くなって50年は無理としても、30年ぐらいは親をしのんで墓参りの一つもするのが人間として当たり前もいいところだ。それが「40年前から生きているかどうか分からない」と平気な顔でテレビで語る娘、といっても79歳の老婆だが、なんと情けない。こんな親子関係が罷り通る社会になったのか日本は。
 
 このおぞましい話の陰にいろんな問題が潜んでいることば分かっている。でも、年金給付がからめば詐欺という犯罪につながるヨ。個人情報保護法はお役所のミスを隠す‘‘隠れ蓑”だ。韓国はじめ外国メディアから長寿天国に批判記事が出されると「平均寿命は国勢調査データを使っているから大丈夫」と厚生労働省は言うが、問題はそんなことじゃないんだ。肉親の情の問題なんだよ。(2010・8・23)






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