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世はリコールばやり

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏


 福島県知事選挙が10月14日に告示され、31日の投開票に向けて選挙戦に入った。といっても、どちらも佐藤姓の現職候補と共産党候補の一騎討ちとは言いながら、県民の大半は帰趨が分かっているだけに醒めた目で眺める構図だ。未だに語り草になっている昭和32年8月の「知事選夏の陣」などのように県内を真っ二つに割った激戦、そして後遺症の深刻さなどに此べれば、無風選挙と言っていいのではないか。挑戦する共産党さんには申し訳ないが…。
  
 これに比べて、国内ではいま2つの自治体でリコール運動が火花を散らして激しい戦いを展開している。1つは前にこの欄で取り上げ先決処分好きの鹿児島県阿久根市長に対する住民のリコール運動だ。竹原信一市長を解職させる署名運動で有権者の3分の1以上となる1万余の署名が集まり成立、12月に賛否を問う住民投票が行われる。全く市議会を開催せず専決処分で職員の給料・ボーナスを減額したり、職員の給与一覧を貼り出し、破った職員をクビにしたりする市長だもの、リコールされるのは“当たり前だのクラッカー”だ。
 
 面白いのは名古屋市の方だ。民主党の国会議貞だった河村たかしさんが市民税10%削減を叫んで市長になって、公約を実現しようとして市議会の反対に遭って対立が激化した。この名古屋の75人いる市会議員サマはなんと年間報酬が1,680万円だという。月給100万円と200万円のボーナス2回という計算になる。さらに政策調査費などが付く高級取りの議員サマ方なのだ。まさにお手盛り議会である。
 
 これに河村市長がカミついて「オレの俸給を800万円に半減するから、議員報酬も年800万円にする」とやった。また議員定数の半減も持ち出した。もちろん議員サマは猛反対だ。そこでリコールの形としては全く異例の「市長が先頭に立った市議会解散請求署名運動」が展開されたわけだ。結果は46万人の署名を集め、必要署名の36万6000人を軽く突破した。このあと名古屋市では住民投票が行われ、全市あげてりコール成立をめぐって『保身議会』と『庶民革命』のチャンバラが展開される。

 我が国の地方自治制度は「二元代表制」といわれ、国会で総理大臣を選ぶ方式ではなくアメリカ大統領制を取り入れた形になっている。首長も議員もそれぞれ住居投票で選ばれ、住民に直接責任を負うという形である。この地方自治法も敗戦直後のアメリカ占領下で生まれた法律だ。アメリカの匂いが未だに残っている気がする。さて、河村“横紙破り”市長の挑戦は功を奏するか。
(2010・10・20)






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