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Home >斜め読み聞きかじり >2010/11/9

さて、どれだけ禁煙したのかナ

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏


 10月という月は下半期の初めの月で区切りだから、各種の制度や料金の変動がある。今年の10月はほぼ全銘柄のタバコの値段が上がった。値上げ幅が過去にない大幅だったんで、9月未はいつもながらの駆け込み大量買い貯めに走る姿がニュースになった。一方では「これを機会に」と禁煙を思考する向きも多かったようだ。今年の春先まで放映されたテレビドラマに昭和40年代の高度成長期の商社を舞台にした作品があったが、画面でタバコをくわえながら仕事をする登場人物たちの姿が数多く見られた。今から40年ほど前の日本の成人男性の喫煙率は80%だったという。そして、当時の大卒初任給は約2万5千円。その時の最も人気のあった銘柄のタバコは1箱80円だった。今回の値上げで日本製のタバコはおしなべて1箱420円程度になった。大卒の初任給は25万円ぐらいだから、40年前の10倍。しかし、タバコの方は・・・80対420で5倍強にしかなっていないというデータがあるのだ。「こんなに値上げされては、国にばかり税金を奉仕していられるかい」と経済的な理由で禁煙の走った向きにはチヨット酷かもしれないが、昔は月給の割りには高価品だったタバコを吸っていたようだ。今みたいに嗜好品もあまり無かった時代だ。酒を呑んではプカリとふかし、粋なバーではダンヒルのパイプを燻らす。ジェローム・カーンの「煙が目にしみる(Smoke Gets In You rEye)」がジャズのスタンダード・ナンバーと、もてはや.された頃だ。
 
 ということは、価格を理由に禁煙を続けたり、挑戦したりするのは意外に難しい、と言えるのかもしれない。「やはり、健康面を含めタバコに対する認識そのものを改める必要があります」と禁煙外来のお医者様はのたまう。そこでだ、値上げされてからもう1ヵ月が過ぎたが、果して禁煙を達成した人はどれだけいるのかなァ、と余計なことながら頭の片隅で案じ続けている。孫がこの春に福島大学に入学し、10月末の大学祭で金谷川キャンパスを訪れる機会があって、自分の学生時代を思い出した。終戦から5年目、まだまだ物資不足の時代に大学生になった。そのころ、大学購買部ではタバコを1箱男えない貧乏学生が数多くいて、なんとタバコをバラ売りしていた。10本人り30円の「光」を1本3円で買って、半分にちぎり友人と分け合って楊枝の先に刺して吸った。当時、セカンドラン映画館では学割で30円で洋画が見られた。となると「光」1箱30円は、考えてみれば確かに高価品だったのだ。(10・11・9)






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