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“健康常識”を疑ってみよう

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏


 「健康で長生きしたい」は万民の願いだ。だから、それを実現しようと、いろいろ努力した結果が人類を進歩させたと言ってもよいのではないか。そして数々の健康法が古今東西、生み出されてきた。しかし、病気になりたくない、という心の不安につけこむ不逞の輩もまた数限りなく現われた。インチキ健康法である。でも江戸時代の迷信ならいざ知らず、科学が発展を遂げた現代ですら非科学的な健康常識が罷り通っているとしたら、これは問題だろう。
 
 面白い一文を目にした。月刊誌「選択」1月号「続・不養生のすすめ」での柴田博さん(人間総合科学大学大学院教授)の主張である。これによると、現代の日本人のカロリー摂取量は終戦直後よりむしろ減っている、というのだ。1946年というから敗戦翌年の国民の1日平均摂取量は1903キロカロリーあったのに対し、2008年のそれは1867キロカロリーなのだ。これは低栄養レベルに近いという。なんと、飢餓状態で飢え死に者も出た時代よりも現代が少ないのだ。さらに柴田さんは面白い言葉を書いている。「コレステロール微菌説」である。“食の欧米化は危険、カロリーが敵だ、脂肪は悪、コレステロールは下げよ、と脅す勢力が現われた。これを真に受けて、食べることがあたかも罪悪のように思う傾向が深まった。それが低栄養の食事を生んだ”というのだ。低栄養が身体によいハズはない。免疫力の低下を招き感染症が増える。しっかり食べない親の食生活は幼児にも押しつけられ、この子たちの将来の死亡率増加につながってゆくかもしれない。

 “カロリーが敵”と脅す勢力とは、いわずもがな抗コレステロール薬を販売する製薬会社だろう。その後に学会や学者が繋がっていようし、一部マスコミも旗を振っているだろう。同様のことは「血圧」でも言えるんだという。いま正常な血圧は上が130未満、下が85未満、とされている。この数値だと、柴田先生によれば「50歳以上の日本人の6割が血圧に異常あり、ということになる。世界トップの長寿国で人口の半数以上が血圧に異常がある、とはどう考えても不自然だ」ということになる。科学的に裏付けのないまま、数値の捉え方一つで患者群が生み出されているとしたら…。俗説が健康常識に仕立て上げられ、それに踊らされて美食も酒も甘いものも長生きの敵、薬とサプリメントは味方、という人生では骨折り損のくたびれ儲けだ。「いま信じられている健康常識を一度は疑ってみる目が必要」というおハナシでありました。(2011・1・6)






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