市民〔citizen〕と結ぶネットマガジン!
建設メディア「MEDIA」
Home >斜め読み聞きかじり >2011/1/21

道迷うことなかれ

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏


 管内閣の2度目の改造が1月14日に行なわれ、再スタートを切った。注目の官房長官に枝野幸男幹事長代理をまた抜擢し、千石氏を切ったのだが、依然としての脱小沢ぶりが新たな火種になりそうだ。サプライズ人事は自民党を出て「たちあがれ日本」を結成しながら、また単身離党した与謝野馨氏を経済財政相に選んだことだ。この人を抱き込んでも、ねじれ国会が解消するわけではないから、政策能力が買われたんだろう。自民党時代は政調会長や財務相を歴任した政策通。だが、昨年春に自民党を離れて、たちあがれ日本を結成したときのキャッチフレーズは「打倒民主」だったんだぜ。消費税率引き上げ論者の代表格だから、菅首相の主張と一致したのはわかるが、こんなにクルクル身の置き場所を変え主義主張も替わる人で大丈夫なのかなア。
 
 この与謝野大臣の出現はいろんなところでハレーションを巻きおこしているみたいだネ。与謝野氏の選挙区は東京1区。ライバルは同じく菅内閣に入閣している海江田万里氏だ。一昨年8月30日の衆院選で、与謝野氏は自民党公認で民主党の海江田氏と戦った。そして敗れた。その与謝野氏はかろうじて比例区で選出され国会に戻って来たのである。しかも、今回改造では海江田経済財政大臣が経済産業大臣に横滑りさせられ、その後釜に与謝野氏が座ったのだ。海江田さんは「人生とは、なんと不条理な」と忿懣やるかたない発言をしている。それはそうだろう。まだまだ続けたかったポストを、こともあろうに同一選挙区のライバルに奪われたのだから。こうしたいきさつに、与謝野大臣に対する批判が出始めている。自民党候補として比例区で選出されたのに民主党政権で入閣するのは「民主党を拒否して、自民党に投票した民意を踏みにじる行為だ」「どうしても大臣になりたいのなら、議員を辞職して民間出身の大臣として入閣すべきだ。自民党比例議席は次点候補に譲るのが最低の責務ではないのか」といった声が沸き起こりつつあるようだ。なんといっても自民党の比例区候補での当選というのは弱いや、ネ。
 
 福島民報1月17日付け時事川柳にこんなのがあった。「与謝野さん 君 道迷うことなかれ」。与謝野さんはご承知のように明治の情熱歌人だった与謝野晶子の孫である。「弟よ 君 死に給うことなかれ」と、戦場に赴く弟に歌をささげた。国中が好戦気分の最中に反戦の歌を詠む晶子を穣してはならないという戒めの川柳だろう。がんを克服した政治家としては敬服するがね。(2011・1・22)






Copyright (C) Medianetplan Co.,Ltd. All Rights Reserved.
このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。