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Home >斜め読み聞きかじり >2011/5/28

大嘘が2つバレた

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏


 また、大震災にまつわる話になる。「もうウンザリだ」という声が充満しているのは分かるが、なんせ世の中が放射能のシーベルトと、瓦礫の撤去の騒ぎで埋まっているんだから、なんとも身動きが取れない。
 2つの大嘘とは、1つは「原子力発電のシステムはアトムの平和的利用であり、全く安全だ」という、これまでの政府や電力会社、一部の学者・ジャーナリストの話は全くのウソだったことだ。東電福島第一原発が見事に?証明してくれた。だから、ここではさらに追求はしない。もう1つが問題なのだ。それは「地震予知」という大ウソのことだ。しかも、こっちの方は清廉潔白で崇高な“象牙の塔”と評される学界での嘘つきなのだ。これが今回の大震災の騒ぎの中で一層、ハッキリしたのだ。学者先生方がウソをついて国の予算を無駄食いしている実態も…。すっきりと言おう。「地震は予知は出来ない」のだ。
 
 ここで言う「予知」というのは、日本においては「直前予知」のことだ。つまり、短ければ数日、長くても1カ月以内に大地震が起きることを事前に言い当てることを指す。ところが、予知するには地中でのプレートの動きやズレ、ヒズミ、または断層運動などが複雑に絡み合っていて、こんな領域のことはまだまだ人間サマの手には負えていないのだ。なのに、何故か30年余り前からわが国では「大地震は予知出来る」という幻想が生まれ、しかも迷信などではなく、レッキとした学者先生方が文部省の予算を分捕って、出来もしない研究とやらを連綿と続けてきていた。そして今もなお続いている。
 
 しかし16年前の阪神淡路大貴災で予知出来なかった。「これはプレート・スリップ型ではなく、活断層によって起きた内陸直下型地震だったからだ」と言い訳はしたが、予知への疑念は広がった。そして2007年に生まれたのが今回の大震災でも盛んに発信された「緊急地震速報」だったのである。既に発生した地震を本震到達の数秒前に伝えるというこのシステムは、本当は地震予知が敗北したことの象徴なのだが、国民はこんなすり替えを有りがたがった。でも、この速報システムもまた敗北したようだ。揺れる直前にテレビや携帯電話で「強い揺れに警戒してください」と叫ぶ緊急地震速報は、東日本大震災では最大震度2程度で7回も警報し「オオカミ少年」と揶揄されている。地震予知連などという名称そのものが驕りの象徴だろう。「地震は予知出来ません。以後、研究費は返上します」と、そろそろ素直に認めたらどうだろうか(2011・5・27)






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