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Home >斜め読み聞きかじり >2011/7/28

こんな総理大臣見たことない

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏


 この「斜め読み…」というコラムは半月に1回の掲載だから、あまりに差し迫った事柄は書いているうちに事態が変わってしまうので、生々しいハナシはなかなか取り上げられない。例えば、永田町の政局の刻一刻の変化などは追い付けない。だから、菅総理大臣の引きずり降ろし劇などは取り上げられなかったのだが、今や様子は変わったようだ。あれほど“カン降ろし”の合唱が永田町にコダマしているのに、今や菅さんは「日本憲政史上、初めての首相になった」という表現が付くようになったのだ。「憲政史上」とくれば、真っ先に思い浮かぶのは憲政の神様尾崎行雄の名前だが、「菅さんは尾崎先生の向こうを張るスバラシイ政治家になったのか」などと早合点してはいけない。「こんなタイプの首相は、これまでの自民党にもいなかったし、旧社会党系のリーダーとも全く異質なタイプだ」という分析がなされているのだ。その根拠は「常識ハズレの粘り腰」。6月2日の内閣不信任案が可決されそうになって「一定のメド」の達成を条件にした退陣表明いらい、菅首相が次々に繰り出す変化球に誰もついて行けず、ついには「一定のメド」を無視して「燃え尽きるまで」などと言い出しても止められない。誰が何と言おうと「菅首相の粘り勝ち」だ。
 
 ただし“勝ち”という表現は適当ではない。なぜなら、本来は首相が辞任を口にした瞬間に、政界はもとより国内も国外も首相として認めなくなるから辞めざるを得ないハズなのだ。どの首相もそうしてきた。だから、勝った、負けた、の問題ではないのだ。通例、総理大臣は辞職する直前まで決して辞める意志は口にしないのが常識、基本動作なのだ。ところが菅さんは退陣を表明してからなんと閣僚人事に踏み切った。それも、どうみても「意趣返し」の大臣すげ替えなのである。これを暴走という。与党とはいえ、国民新党代表の亀井静香氏を「副総理で入閣を」と願い、断られても首相補佐官に起用した人事。これは内閣を補強した人事とみるのは勝手だが、これこそ意趣返し人事の典型なのだ。そのココロは?本来なら一番の相談相手で心底許しているハズの女房役枝野幸男官房長官が「菅おろし」に回ったから、新に亀井という強力な“用心棒“を雇って官邸内の防衛ラインを作ったと見るべきなんだそうだ。つっかえ棒であるべき幹事長らの描く退陣シナリオヘの最後の抵抗と言ってもいい。大震災復興のカナメ復興大臣の後釜人事も、今は全くの側近しか引き受けてくれない内閣…そんな状態にしていて本当にいいのか、永田町のみなさんよ。(2011・7・25)






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