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Home >斜め読み聞きかじり >2011/10/3

『万理一空』いいんじやない

建設メディア顧問
マスコミ人OB会福島ペンクラブ会長
元福島民報専務・編集局長 星一男氏
星一男氏


 人間も高齢者の分類に入って、八十路目前になると健康に何が起きるか、予測がつかない。筆者も春の大手術後の後遺症なのか、全身から「むくみ(浮腫)」がなかなか抜けないので、9月に入って浮腫退治で少し入院加療した。入院加療といっても点滴に利尿剤を入れて、原因となっている脱水を抜く治療だけだから、あとは寝ながらテレビで時間つぶしをするしかない。たまたま、国技館では大相撲9月場所の最中だったので、はとんどの取り組みを視聴した。

 そしたら、今、日本相撲協会が抱えている悩み、形は日本古来の国技なんだが、中身は外国人に占領されて“大和魂”を持つはずの日本人力士がからきし元気が無いことが、いやという程知らされた。そりゃあ、話には聞いていたし「いまどきの元寇、つまり蒙古襲来だネ」などと、軽くひやかしたりもした。だが、そんな生易しいもんじゃないことに暗澹たる気持ちにさせられたのである。そして、そんな状態から抜け出す差当っての一筋の光明が「関脇琴奨菊の大開昇進、あわよくば初優勝もー緒に実現」にあることが分かった。
 “いまごろ何を寝言いってんだい”とお叱りの向きもおありだろうが、こんなに日本人大関、日本人力士の優勝が遠退いて、大勢の相撲フアンの中にあきらめムードが蔓延しているとは感じとれなかったのだ。誠に申し訳なし。日本人大関は八百長騒ぎで引退させられた、あの琴光喜いらい。日本人力士による優勝は4年前の栃東いらい、というじゃないか。そのあとはモンゴル襲来、そしてヨーロッパ勢が連綿と続いている。国技館の大屋根に飾られる優勝額もまもなく栃東の分は外される運命にあるという。なんとかしなくっちゃ。
 
 そこで、この秋場所には力が入ったネ。といっても入院ベッドの上での応援だから情けないが、相撲というものは見れば見るほど奥深くなってゆくものらしくて、琴奨菊の得意技「がぶり寄り」がうまく出るか、失敗するか、が分かるようになってくるのだ。今どきのテレビ解説も手とり足とりの親切さだからシコ名になぜ菊の花が入っているのか、お祖父さん子で相撲取りになったことなども知った。そして順調に勝ち進んで、「3場所33勝」の大関推挙の条件達成までにあと1勝ちに迫ったとき、目前に横綱白鳳の姿があった。でも7月場所では勝っている。「あれを、もう一度、再現じゃア」…。以下はご存じのとおり。得意のがぶり寄りは気持ちよかったねエ。9月28日午前、大関推挙の使者に「万理一空で精進」を誓った。その一は祖父一男さんの一だ。 (2011・9・30)






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